軽貨物(黒ナンバー)の事業者は、2025年4月から、事故が起きたら「事故記録」を作って3年間保存する義務があります。人が死傷した事故だけでなく、物を壊した事故も対象で、自分だけで走る個人事業主も同じです。さらに、死者や重傷者が出た事故など、規則で決められた重い事故は、事故があった日から30日以内に、運輸支局を通じて国土交通大臣へ「事故報告」を出します。記録はすべての事故、報告は重い事故だけ、と分けて考えます。事故記録と事故報告は、バイク便も対象です。
事故が起きたらまず、救護と警察への連絡です
事故の直後は、国への記録や報告より先に、道路交通法の義務があります。交通事故があったときは、すぐに運転を止めて負傷者を救護し、道路の危険を防ぎ、警察官に事故の日時と場所、死傷者の数、壊れた物とその程度、積んでいた荷物、取った措置を報告します(道路交通法第72条)。この記事は、そのあとの国への記録と報告を説明します。
事故記録は、物損を含むすべての事故で作ります
事故記録を作るのは、道路交通法でいう交通事故(車両の交通による人の死傷や物の損壊)が起きたときと、後で説明する報告が必要な事故が起きたときです。壁や相手の車にぶつけた物損の事故も含まれます。記録する項目は次の8つです。
- 乗務員の氏名
- 車両番号など、車両を識別できる表示
- 事故の発生日時
- 事故の発生場所
- 事故の当事者(運転者を除く)の氏名
- 事故の概要(損害の程度を含む)
- 事故の原因
- 再発防止対策
事故記録は、事故後30日以内に作り、3年間保存します
作成は事故の発生後30日以内、保存は3年間で、その車の運行を管理する営業所で保存します。書面でも電磁的な方法でも構いません。国土交通省の通達では、発生場所は場所を示した地図の添付で足り、概要は事故報告書の様式にある「当時の状況」「事故の種類」「道路等の状況」「当時の運行計画」「損害の程度」を記録すれば足りるとされています。
国土交通省は「事故記録の様式例」をExcelで公開しており、事故報告書の様式を使って記録しても構いません。原因がまだ分からないときは、「原因究明結果待ち」と書き、すぐに講じた対策もあわせて書きます。
国へ報告が必要なのは、規則で決まった重い事故だけです
事故報告が必要なのは、自動車事故報告規則の第2条に挙げられた事故です。軽貨物に関わる主なものは次のとおりです。
- 死者または重傷者が出た事故(重傷者の例:腕・大腿骨・脊柱などの骨折、内臓の破裂)
- 10人以上の負傷者が出た事故、10台以上の衝突・接触
- 転覆(路面と35度以上傾いた)、転落(道路外に0.5メートル以上落ちた)、火災、鉄道車両との衝突・接触
- 酒気帯び運転、無免許運転、大型自動車等無資格運転、麻薬等運転を伴う事故
- 救護義務違反があった事故
- 運転者の病気で運行を続けられなくなった事故
- 装置の故障で運行できなくなった事故(運行をやめて再開できなかったもの、乗務員以外の人の修理で再開したもの)
- 車輪の脱落や、被けん引車の分離(故障によるもの)
- 鉄道施設を傷つけて3時間以上本線の運転を止めた事故、高速道路・自動車専用道路を3時間以上通行止めにした事故
- 危険物(軽油・灯油など)や高圧ガスなどが飛び散ったり、漏れたりした事故
- 国土交通大臣が特に必要と認めて、報告を指示した事故
これに当たらない事故は、報告は要らず、事故記録だけで足ります。けがのない物損事故も、上のどれにも当たらなければ報告の対象外です。ただし、事故の時点では当たらなくても、30日を過ぎてからその事故が原因で当たることになった場合は、その時点で遅滞なく報告書を出します。重傷者に当たると分かったのが30日を過ぎてからだった場合も、分かった時点で出します。
重傷者とは、自動車損害賠償保障法施行令が定めるけがの人です
重傷者は、自動車損害賠償保障法施行令第5条の第2号または第3号に掲げる傷害を受けた人をいいます。脊柱、上腕・前腕、大腿・下腿の骨折、内臓の破裂、14日以上の入院が必要なけがなどが含まれます。国土交通省は具体例として、腕や大腿骨、脊柱などを骨折した人、内臓が破裂した人を挙げています。けがの程度は、事故のときの医師の診断結果にもとづいて判断します。
報告書は事故後30日以内に運輸支局へ出し、一部の事故は24時間以内に速報します
事故報告書は、事故があった日から30日以内に、その車を使う本拠の位置を管轄する運輸支局に出します。運輸支局を経由して国土交通大臣への報告になります。救護義務違反は、あったことを知った日から、国土交通大臣の指示による報告は、指示があった日から、それぞれ30日以内です。様式は国土交通省が公開しており、オンライン申請も使えます。
次の事故は、報告書とは別に、24時間以内にできる限り速やかに、電話などで運輸支局に速報します。
- 2人以上の死者、または5人以上の重傷者が出た事故
- 10人以上の負傷者が出た事故
- 危険物などが飛散・漏えいした事故(転覆、転落、火災、衝突・接触によるものに限る)
- 酒気帯び運転を伴う事故
- 運転者の病気で運行を続けられなくなった事故(脳疾患、心臓疾患、意識喪失によると思われるもの)
報告しない、うその報告をすると、過料の対象です
重大な事故を起こしたのに報告をしない、または虚偽の報告をした場合は、50万円以下の過料の対象です(貨物自動車運送事業法第81条)。国土交通省の取扱要領には、事業用自動車の死亡事故・重傷事故は警察から運輸支局へ通報される取り決めがあり、報告漏れを防ぐために情報交換を行う、と書かれています。
死者や重傷者が出た事故などを起こした運転者は、そのあと特別な指導と適性診断の対象になります。これについては、適性診断の記事で説明します。
出典:国土交通省「報告すべき事故の内容」「事故記録の様式例」「自動車事故報告書等の取扱要領」「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」、貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条の2、自動車事故報告規則第2〜4条、貨物自動車運送事業法第81条、道路交通法第72条(いずれも2026年10月6日確認)。個別の判断は管轄の運輸支局に確認してください。
ご相談はLINEまたはお電話で
軽バンの選び方や自社ローンについて、LINEまたはお電話でお気軽にご相談ください。審査に不安がある方もご相談いただけます。お電話は045-345-6722(9〜21時・年中無休)、LINEでのご相談はこちら(今なら3万円クーポンプレゼント)からどうぞ。
かんたん仮審査フォーム:仮審査を申し込む


