軽貨物の個人事業主にも、運転時間の基準はあります。厚生労働省の「改善基準告示」は雇われている運転者が対象で、個人事業主には直接かかりません。ただ、国土交通省は、軽貨物の事業者に、運転者の勤務時間と乗務時間を国が定めた基準の範囲で決めて守るよう求めており、事業主本人が運転する場合も含まれます。1人で働く場合は、自分で時間を決めて守ります。基準は、連続運転4時間以内、1日の拘束13時間以内(上限15時間)、運転時間は2日平均で1日9時間以内などです。

厚生労働省の改善基準告示は、雇われている運転者が対象です

改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)は、労働基準法第9条に規定する労働者で、四輪以上の自動車の運転の業務に主として従事する人を対象にしています(告示第1条)。軽貨物のドライバーでも、会社に雇われている人は対象です。現在の基準は、2024年4月1日から適用されています。

個人事業主は労働基準法上の労働者ではないため、この告示や労働基準法の労働時間の規制は、直接はかかりません。ただし、契約上は個人事業主でも、実態によっては労働者として扱われることがあります(後の見出しで説明します)。

国土交通省は、個人事業主本人にも勤務時間と乗務時間の基準を求めています

貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条は、貨物自動車運送事業者に、休憩・睡眠・休息の時間が十分に確保されるよう、国土交通大臣が告示で定める基準に従って運転者の勤務時間と乗務時間を定め、運転者にこれらを守らせることを求めています。軽貨物の事業者も含まれます。

国土交通省の通達は、個人事業主や同居の親族、法人の役員などの事業主が運転する場合は、その本人も運転者に含めるとしています。具体的な基準は、国土交通省の告示と、厚生労働省の改善基準告示の内容にもとづきます。リーフレットでも、1人で事業を行っている場合は、自ら基準の範囲内で勤務時間を設定し、守る必要があると案内されています。この決まりは2025年4月に新しく加わったものではなく、「引き続き実施が必要」な安全対策に入っています。

基準の中身は、拘束時間・休息・運転時間・連続運転時間です

国土交通省のリーフレットに載っている基準は次のとおりです。

  • 拘束時間:1年に3,300時間以内、1か月に284時間以内
  • 1日の拘束時間:13時間以内(上限15時間。14時間を超えるのは週2回までが目安)
  • 1日の休息期間:継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回らない
  • 運転時間:2日平均で1日9時間以内、2週平均で1週44時間以内
  • 連続運転時間:4時間以内(1回おおむね10分以上、合計30分以上の運転の中断が必要)

拘束時間は、仕事の始まりから終わりまでの時間で、運転のほか荷積みや待機、休憩も含みます。休息期間は、仕事から離れて過ごせる時間です。連続運転の4時間は、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアに止められないなど、やむを得ない場合に限り、4時間30分まで延ばせます(改善基準告示第4条)。

事業主本人の1か月・1年の拘束時間については、国土交通省の通達が、労使協定で延長できる範囲を超えないこととしています。告示でその範囲は、1か月は310時間まで(年6か月まで)、1年は3,400時間までです。

道路交通法は、時間の長さに関係なく過労運転を禁じています

道路交通法第66条は、過労や病気、薬物の影響などで、正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転することを禁じています。違反すると、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です(同法第117条の2の2)。時間の基準を守っていても、疲れて正常な運転ができないおそれがあれば、運転してはいけません。

輸送安全規則第3条も、疾病、疲労、睡眠不足などで安全に運行できないおそれがある人を、運行の業務につかせてはならないと定めています。事業主本人が運転する場合も、国土交通省は本人を含めて考えるとしています。乗務前の点呼でも、疲労や睡眠不足の有無を確認します。

契約上は個人事業主でも、実態が雇用なら労働者として扱われることがあります

労働基準法の労働者に当たるかどうかは、請負や委任といった契約の形式や名称にかかわらず、実態を見て判断されます。判断では、仕事の依頼を断れるか、業務のやり方に指揮監督があるか、時間的な拘束があるか、報酬が働いた時間の対価になっているかなどが総合的に見られます(厚生労働省)。

厚生労働省は、業務委託契約で個人事業主とされていた貨物軽自動車運送事業の運転者が、実態として労働基準法上の労働者に当たると判断された事例を公表しています。この場合は、仕事を出している側が、労働基準関係の法令や改善基準告示を守る必要があります。自分の働き方が気になる場合は、全国の労働基準監督署に「労働者性に疑義がある方の労働基準法等違反相談窓口」が設けられています(平日の8時30分から17時15分)。

基準を守るには、業務記録で時間を確かめ、休憩を先に計画に入れます

国土交通省のFAQは、拘束時間、休息時間、合計の運転時間は、運行の計画を立てるときに業務記録を見て、基準を超えていないかを確認するよう案内しています。連続運転時間は、運行の計画を立てるときに、あらかじめ休憩をとる時間を決めておくとしています。業務記録の書き方は、別の記事で説明しています。

出典:国土交通省「貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正について」(リーフレット・FAQ)、「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」、貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条、厚生労働省「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」、同「労働基準法における『労働者』とは」「労働基準法上の労働者に該当すると判断された事例(貨物軽自動車運送事業の自動車運転者)」、道路交通法第66条・第117条の2の2(いずれも2026年10月6日確認)。個別の判断は、運輸支局または労働基準監督署に確認してください。

ご相談はLINEまたはお電話で

軽バンの選び方や自社ローンについて、LINEまたはお電話でお気軽にご相談ください。審査に不安がある方もご相談いただけます。お電話は045-345-6722(9〜21時・年中無休)、LINEでのご相談はこちら(今なら3万円クーポンプレゼント)からどうぞ。

かんたん仮審査フォーム:仮審査を申し込む